私がフリーの中古車バイヤーになるまで、趣味や仕事など常に車に携わる環境で過ごしてきました。その経験が中古車を仕入れるための知識や感覚を鋭くさせたのかなと思います。
車に関わる仕事であれば良かった
学生の頃、初めてアルバイトをするならガソリンスタンドで働くと決めていました。専門的な知識がなくても、お金を稼ぎながら様々な車に触れられるからです。
車種ごとに違うボディの特徴や車内装備、グレードによる装備の違いなどを見るのが楽しくてたまらかったです。その車に乗っているお客様の傾向にも気がつくようになりましたね。女性・ビジネスマンが好む車種や、ファミリー層に人気の車など、車種ごとに違うニーズについても学んでいました。
毎回どんな車とユーザーがガソリンを入れに来たのかと、車を駐車ポイントに案内しながら考えていたのを思い出します。すばやい案内をしないといけないため、車種によって給油口がどの位置についているのかを判断する力もつきました。大抵の車は給油口の位置を覚えていますし、ヘッドライトだけで車種を特定できます。今でもガソリンスタンドに行くと案内の速さで、スタンドマンのレベルがわかってしまうほどです。ただし、スタンドマンのレベルを見分ける力が中古車バイヤーに活かされているのかと言われると困ってしまいます。
中古車販売店に勤めてビジネス経験を積む日々
卒業後、中古車販売店に就職しました。新車を販売する代理店を考えたのですが1つのメーカーについて知識が深くなるより、たくさんの車について知識を深めたかったからです。中古車販売店には目利きの先輩バイヤーがいたので、どんなポイントに絞って車を仕入れるのか知識を盗む勢いで学ばせてもらいました。個人のお客様からも買取をしていたので、無料査定の知識もあります。
査定用紙のテンプレートには車を真上から見たイラストが印刷してあり、部位に番号が打ってありました。凹みやキズの有無を詳細に記載するためです。その下には数多くの査定項目と5段階評価がありました。この査定経験はフリーのバイヤーになってとても役立っています。仕入れの時にいくつかの車両を見比べ、数字で判断できるからです。パッと見た目だけで状態を判断するバイヤーは、まだまだ経験が必要でしょう。
フリーの中古車バイヤーとして活躍するうえでまだまだ課題があります。今は語学力を磨く日々です。海外バイヤーともっと踏み込んだ商談をしたいからです。日本の消費者とは違う購入ポイントを知りたいし、インフラの整っていない環境で日本の中古車が活躍しているところをもっと見たいと思っています。
日本で働く外国人に中古車バイヤーの仕事を奪われたくありません。日本車のことは私のほうが良く知っていると自負していますので、今後は中古車の輸出ビジネス拡大も挑戦していきます。