ウクライナ情勢が中古車市場に与えた影響

俯瞰の自動車

コロナ禍やウクライナ情勢の影響でさまざまな輸入資源が不足しています。中古車市場も例外ではありません。ロシアは日本最大の中古車輸出先。ロシアに対する経済制裁によって、日本は中古車にとって重要な販路を失ってしまう可能性もあります。

こちらでは、ウクライナ情勢やコロナ禍が中古車市場にどのような影響を与えたのかについてまとめました。

日本の中古車需要は高い

日本の中古車の需要は増加傾向にあります。日本国内で中古車が人気の理由は、新型コロナウイルスの感染防止のためです。中古車は、公共交通機関よりも「密」を回避できる、比較的廉価な方法といえます。同じような理由でバイクの需要もどんどん高まっています。

さらに、半導体不足も中古車需要を加速させています。以前から半導体は問題視されていましたが、新型コロナウイルスの流行によって、2021年からますます顕著になりました。半導体の不足に加えて、外国から自動車部品が入手しづらくなり、国内の自動車生産量は減少を余儀なくされました。新車の生産量が落ち込んでいることも原因として挙げられるでしょう。
部品の多くを外国からの輸入に頼らざるを得ない日本にとっては逆風です。

新車はますます手に入りにくくなっており、人気車種の納車は遅れています。通常であれば1~3ヶ月で納車できるはずが、早くても4ヶ月はかかります。日本仕様の台数が少ないトヨタ・ランドクルーザーの納車が4年待ちという、かなりの納車遅延が起きているケースもありました。

コロナ禍によって「個室」的な移動手段の必要性が高まったのと、新車が手に入りにくい状況から、すぐに購入できるリーズナブルな中古車を買おうと考える人が増えたのでしょう。

中古車は高騰傾向

しかし、2022年3月にウクライナ侵攻が始まって以来、日本ではロシア向けの中古車の輸出を控えてきました。しかし、日本の中古車の性能や故障のしにくさは高く評価されており、他の国からの需要も目減りはしていません。

しかし、新車が減ると中古車の供給が減り、中古車が不足します。国内・国外で日本の中古車需要が高まった結果、市場に出回っている中古車の数はどんどん減少。こういった影響もあり、中古車の価格は上がっています。2022年2月の中古車平均額(オートオークションの平均落札価格)は、1999年以降はじめて100万円を超えました。

中古車の価格は全体的に上昇傾向にありますが、特に軽自動車の高騰が顕著です。ウクライナ情勢の影響によって、しばらくは中古車の高騰が続くと予想されます。

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